【2022年版】中国ネット流行語、トップ10。日本語にするとどういう意味?

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2022年中国ネット流行語

中国の語言文学雑誌「咬文嚼字」が読者からの応募・ネットユーザーによる投票、専門家やメディアによる選出を経て、中国の2022年流行語トップ10を発表した。中国は2020年世の中では新型コロナウイルス発症の地、と認識されているが、当事者は認めていないまま、2023年を迎えた。またこれまで断固として継続してきた「ゼロコロナ」政策を180度転換し、一気にウィズコロナに切り替えたことによる混乱が続いている。ネット流行語はその年の世相を良く表しており、激動の中国2022年を振り返りつつ、トップ10を見ていこうと思う。

1.踔厲奮発、勇毅前行(奮起し闘志を燃やし、雄々しく前進)

chuo li fen fa, yong yi qian xing

「心を奮い立たせて気持ちを高揚させ、強い意志で勇敢に前進すること」

以下は中国らしい表現であるが、共産党の指導の下、中国全土の各民族の人々が一致団結して、中国の復興・成長に向けて努力し奮闘する精神や姿を描写している、ということ。

日本的に言えばもう少し自主的な意味合いになると思い、最近流行している某鬼退治のアニメ、鬼○の刃のあるシーンで主要登場人物が発した名言「心を燃やせ」の一言につきると思います。

2.中国式現代化

zhong guo shi xian dai huo

中国スタイルや中国の生活様式や特色を現代式にした、現代の中国を表す言葉

3.新賽道 (新たなサーキット)

xin sai dao

「サーキット」とは距離や速度を競う際に定められたレースコースと定義されるが、経済分野では「新たなサーキット」=「新たな競走の場」を指す。新技術や新モデルを競争力の源泉とした新興産業やあらゆる業界で細分化された分野を指し、市場を牽引、破壊的イノベーション、爆発的成長といった特徴を備える。成功すれば、未開拓の膨大な市場や新規市場の成長機会があり、「新たな未来」を切り開く機会として捉えられる。新たなスタート地点・旅立ち・取り組みや情勢なども指す。

4.大白(ダーバイ)

da bai

「大白(ダーバイ)」とは白い防護服姿で、新型コロナウイルスに対して第一線で闘ってきた医療従事者やボランティアのことを指す。中国ではディニーアニメ映画「ベイマックス」に登場するケアロボットのことを「大白」と訳しており、その姿に重ねて、これら医療関係者を「大白(ダーバオ)」と呼ぶようになった。新型コロナウイルスに対して第一線で守る防護壁や闘う英雄にして功労者という意味合いも込めている。

5.煙火気(活気)

yan huo qi

中国の古語であり、本来の意味は食物を煮炊きする際に漂う匂いを指す。ここでの意味合い(現在)はバイタリティや活力に満ちた人間味あふれる人々の暮らしの様子を指す。

6.天花板(トップ・オブ・ザ・○○)

tian hua ban

「天花板」は「天井」という意味。英語では「天井」という言葉を「最高限度」や「上限」という意味でも使用しており、中国語でも越えることのできない「最高点」や「頂点」という意味を指すようになった。

7.拿捏 (摘まむ/掴む/握る)

na nie

「拿捏」は絶妙の度合いで掌握する場合やチャンスをものにするといった場合に、「把握する」または「掌握する」といった意味で使用される。現在流行しているのは人差し指と親指でつまむステッカーを一緒に使うスタイルで、ほぼどんなものでも「掌握」してしまうことで様々な意味を表現することができる。

8.雪糕刺客(アイスの刺客)

2022年の夏、「雪糕刺客(アイスの刺客)」がインターネット上で話題をさらった。値段が明記されておらず、あらゆる種類のアイスが一緒に並べられており、レジで会計を行う際にようやくアイスの値段が数十元(1元19円~20円)もしたり、中には100元(2千円・・・)以上もするような高級アイスが「刺客」のように紛れ込んでいることに気づく。しかし、すでに支払いの段に進んでいるため、ほとんどの消費者が泣く泣くこれらの高級アイスを購入せざるを得ない状況となるケースが相次いだ。これらの高級アイスはパッケージは普通のアイスと同様で、安価なアイスに紛れ消費者に致命的なダメージを与えることから「アイスの刺客」と呼ばれるようになった。

9.精神内耗 (精神的エネルギーロス)

エネルギーロスは本来機械や電気の消耗ロス(無駄)などに用いられてきたが、現在では無駄に消耗される精神や肉体、モノのエネルギーのことも指すようになってきている。精神的エネルギーロスとは、精神的・心理的に消耗される無駄なエネルギーが生じるこをを指しており、長期間にわたってそのような状態が続くと、心身害を及ぼすこととなる。特に日本でも長時間報道されていた上海のロックダウン(約2ヶ月継続)では精神的・肉体的にも消耗しきった市民の声がなかなか中央政府に届かない、という報道もされていた。日本人駐在員も直接被害を被っており、この時期に中国、特に上海に滞在していた邦人は、想像を接する苦労をされたのだと思う。

10.沈浸式(没入型)

「没入」とは「水中に沈み入ること」を指すが、現在ではある雰囲気や思考の世界に入り込むことを指すようにもなてっている。「没入型」は完全にある活動に没頭し、関係の無い知覚を遮断し、融合体験を実現することで、心理的な会館を大いに得ることができ、その世界観に入り込むことで、その内容の奥深い部分まで把握する子をができる。

また、昨今日本でも流行っているが、「没入型バーチャルリアリティ」技術が作り出す「強い没入感」はヘッドマウントディスプレイといったハードウェアデバイスを用いることで、視覚・聴覚やその他感覚を遮断し、外部の「現実世界から切り離される」ことで、外部からの直接の刺激を受けることが内容にした上で、時給の制限を取り払って、入り込んだバーチャルの世界で存分に五感の体験をすることができる。

まとめ

ランキング内にはやや共産党色が強いモノもあるが、例えば「アイスの視覚」は日本でも「ステルス値上げ」などで共通の点がある。また、精神的エネルギーロスは、ここ数年日本でも○○ロスのように「心の支え」としていたものがある日突然無くなり、エネルギーを失ってしまう方も多く見えた。さらに新型コロナウイルス蔓延により、精神・肉体的にも大きな負担がかかるも、内部に留保できるエネルギーは減少するいっぽうのため、体調を崩す方も多かったのでは、と察する。

最近のニュースでは中国国民の「本音」や「中央政府に対する意見」も垣間見えるようになってきた。中国が秘めている国民のエネルギーは完全管理できるものでもないし、ましては今が限度であるような国民の数ではないと思う。上記ランキング内にある、「踔厲奮発、勇毅前行(奮起し闘志を燃やし、雄々しく前進)」や「新賽道 (新たなサーキット)」、「煙火気(活気)」が国民自らが主体性を持って発揮された場合、これまで以上の力を発揮するのでは、と感じた。

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